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初めて会った時、実は王子様だと思ったのよ。
今考えてみれば、あのお人好しが王子なんて信じられない!
って絶対言う。
だけど、あの時朝日にきらきら輝く髪に王冠が載っていそうな気がしたのは、本当だった。
数年前、まだキアランもあの悪戯好きなディ・アスも
ちゃんばらごっこをしていたとき、私は丘の上にいた。
別に友達がいなかった訳じゃなくて―
たぶん、そういう気分だった。
落ち着かない時は良く丘に行くものだから。
ぎゃあぎゃあ騒いで男の子同士、泥だらけになりながら遊んでたのを、
あの頃の私は遠くから見てた。
「よくあんだけさわげるわね、うるさくてしょーがないわ!」
…蛇足。あの頃はとっても生意気な女の子だった。
友達の中でも私は中心的存在だったし、明るい性格だった。
それに比べて、あの小さな男の子―
キアラン=ファドリアは内気でよく風邪を引いたりして、本を読むのが好きだった。
私が遊んでる時窓を見ると、
いつも小さな頭が必死になにかの物語や図鑑を眺めていて、
その目はとってもきらきらしてた。
残念ながら私が忙しい時に限ってキアランは外で他の友達と遊び、
私が暇な時は家にいたり、寝込んだりしていた。
だからずっとずっと、金髪の男の子のことが気になってたのね。
で、巡って来た折角のチャンスだったのに…。
「名前きかなきゃなぁ…」
いざという時になって、急に話しかけ辛くなってしまった。
元気いっぱいのキアランは魔石転がしをしていて楽しそう。
何処ぞの恋愛小説に出てくる内気少女みたいに、
私はこっそり丘からその様子を見ていたってわけ。
暫くその様子を見ていたけれど、(私にしてみれば)やっとの思いで丘を駆け下り、
二人の傍まで走りよってみたけど…
バチン!
「うわ…」
「やべっ」
運悪くというか何と言うか、魔石は私の顔にクリーンヒットし、
ごとりと鈍い音を立てて地面に落っこちた。
私に当たるキックをしたディ・アスはさっさと自慢の素早い逃げ足で立ち去り、
その場にはキアランと、泣きそうな私。
あんまり身内以外の女の子と話したことがないキアランは、
困ったように眉を顰めて私にかけよった。
「あの、大丈夫?」
「平気だってば。
このくらい、うちの母さんのビンタに比べれば…いたっ」
「ご、ごめんね、ディ・アスの奴ったら強く蹴りすぎなんだ」
「いーのよ。気にしてない」
わたわたしてこちらを伺うキアランの顔を見たら、
魔石をぶつけられた怒りはすっと消えてしまった。
間近で見てみると、紅茶色の目はとっても綺麗で、
本当にコップの中でゆらゆら揺れている紅茶を見ている気分になった。
太陽に照らされてきらきら輝く珍しいハニーブロンドの髪と相まって、
王子様みたいだと一瞬思ったのだ。
よく大人が話すおとぎ話に出てくる、王子様みたいってね。
困った様に顰められた眉が何だか可笑しくって、
私はついにぷっと吹き出し、けらけら笑ってしまった。
「あんた、男の子なのになんて顔してんの!」
「えっ?…ひどいじゃないか!
ぼくはきみの心配してるのに笑うなんてっ」
顔面直撃してすぐに笑い出した私を
少しむすっとした顔で見つめていたキアランも、ついに笑い出して。
私とキアランは笑いが収まるまで気持ち良く笑って、
その後お互いに仲直りの握手をした。
「あたし、ル・ジェ。あんたは?」
「えっと、ぼく、キアラン=ファドリア。
よろしくね、ル・ジェ!
ディ・アスに謝らせなきゃ、」
「あーっ、あいつあんなところに!」
遠くで確認した青い髪にすばしっこい駆け足を、
私とキアランはにっこり笑いながら追いかけた。
何時も家にいるんだから、と私が想像してた速さよりも
キアランの走りはうんと素早かった。
おまけにセルキーの子供みたいに運動神経も良くて、
私はずるい!と言ったら、
キアランは困ったように眉を寄せると、「ごめん」って謝った。
*********
ル・ジェの性格はこんな感じ。只今キアランに片思い中。
って絶対言う。
だけど、あの時朝日にきらきら輝く髪に王冠が載っていそうな気がしたのは、本当だった。
数年前、まだキアランもあの悪戯好きなディ・アスも
ちゃんばらごっこをしていたとき、私は丘の上にいた。
別に友達がいなかった訳じゃなくて―
たぶん、そういう気分だった。
落ち着かない時は良く丘に行くものだから。
ぎゃあぎゃあ騒いで男の子同士、泥だらけになりながら遊んでたのを、
あの頃の私は遠くから見てた。
「よくあんだけさわげるわね、うるさくてしょーがないわ!」
…蛇足。あの頃はとっても生意気な女の子だった。
友達の中でも私は中心的存在だったし、明るい性格だった。
それに比べて、あの小さな男の子―
キアラン=ファドリアは内気でよく風邪を引いたりして、本を読むのが好きだった。
私が遊んでる時窓を見ると、
いつも小さな頭が必死になにかの物語や図鑑を眺めていて、
その目はとってもきらきらしてた。
残念ながら私が忙しい時に限ってキアランは外で他の友達と遊び、
私が暇な時は家にいたり、寝込んだりしていた。
だからずっとずっと、金髪の男の子のことが気になってたのね。
で、巡って来た折角のチャンスだったのに…。
「名前きかなきゃなぁ…」
いざという時になって、急に話しかけ辛くなってしまった。
元気いっぱいのキアランは魔石転がしをしていて楽しそう。
何処ぞの恋愛小説に出てくる内気少女みたいに、
私はこっそり丘からその様子を見ていたってわけ。
暫くその様子を見ていたけれど、(私にしてみれば)やっとの思いで丘を駆け下り、
二人の傍まで走りよってみたけど…
バチン!
「うわ…」
「やべっ」
運悪くというか何と言うか、魔石は私の顔にクリーンヒットし、
ごとりと鈍い音を立てて地面に落っこちた。
私に当たるキックをしたディ・アスはさっさと自慢の素早い逃げ足で立ち去り、
その場にはキアランと、泣きそうな私。
あんまり身内以外の女の子と話したことがないキアランは、
困ったように眉を顰めて私にかけよった。
「あの、大丈夫?」
「平気だってば。
このくらい、うちの母さんのビンタに比べれば…いたっ」
「ご、ごめんね、ディ・アスの奴ったら強く蹴りすぎなんだ」
「いーのよ。気にしてない」
わたわたしてこちらを伺うキアランの顔を見たら、
魔石をぶつけられた怒りはすっと消えてしまった。
間近で見てみると、紅茶色の目はとっても綺麗で、
本当にコップの中でゆらゆら揺れている紅茶を見ている気分になった。
太陽に照らされてきらきら輝く珍しいハニーブロンドの髪と相まって、
王子様みたいだと一瞬思ったのだ。
よく大人が話すおとぎ話に出てくる、王子様みたいってね。
困った様に顰められた眉が何だか可笑しくって、
私はついにぷっと吹き出し、けらけら笑ってしまった。
「あんた、男の子なのになんて顔してんの!」
「えっ?…ひどいじゃないか!
ぼくはきみの心配してるのに笑うなんてっ」
顔面直撃してすぐに笑い出した私を
少しむすっとした顔で見つめていたキアランも、ついに笑い出して。
私とキアランは笑いが収まるまで気持ち良く笑って、
その後お互いに仲直りの握手をした。
「あたし、ル・ジェ。あんたは?」
「えっと、ぼく、キアラン=ファドリア。
よろしくね、ル・ジェ!
ディ・アスに謝らせなきゃ、」
「あーっ、あいつあんなところに!」
遠くで確認した青い髪にすばしっこい駆け足を、
私とキアランはにっこり笑いながら追いかけた。
何時も家にいるんだから、と私が想像してた速さよりも
キアランの走りはうんと素早かった。
おまけにセルキーの子供みたいに運動神経も良くて、
私はずるい!と言ったら、
キアランは困ったように眉を寄せると、「ごめん」って謝った。
*********
ル・ジェの性格はこんな感じ。只今キアランに片思い中。
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