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それは、長い絶望と希望だったのです。

同じ、希望と絶望を背負って、人々は死を生へと決死に変えていました。
仲間を信じ、お互いに支えあい、そうして生きてきました。
それしか、彼らは知らなかったのです。


***


ぽたぽたと屋根の端から垂れ落ちる雨粒を邪魔だと言わんばかりに振り払い、
セルキーの青年はむっつりとして馬車に座り込んだ。
水を弾く布をすっぽり全身で包んだクラヴァットの青年は
それをちらりと見て、馬車の綱を一振りさせる。

「キアラン」
「何だよ、ディ・アス」
「着かねえのか?」
「着く。たぶん」

まだ時間ははっきりと分からないけれど、と
キアランは口を一文字に結んだ。

見飽きてくるほどに単調な景色は水平線の彼方、
遥か遠くの何処までも続いている。
何時になく二人が静かなのもその所為だった。

「皆言ってたよ、この道はとても長いって」
「知ってンなら早く言えよ」
「言ったら嫌になるから、言うのが嫌だったんだ」

カンテラが危な気にぶらぶら揺れ、
馬車の中にきちんと詰まれた膨大な荷物が全体的にずれた。

荷物の端からは明らかに危険な武器やら爪やら牙やらもはみ出ている。
(それは全部、売却の為の物だったのだ。)
道中、何かしらキャラバンに会うかと思えば、
今日は一回もあっていない。

当然である。彼らは滅んだ村の跡に行ってきたのだ。
むしろ、出会う方が幸運そのものだった。


「雨、全然止まねえぜ」
「ああ、止まないね」
「道も、全然止まねえぜ」
「そうだね、全然だ」

事務的にぽつぽつと話をしていたキアランが、
暇を持て余している親友の為に少し位置をずらした。
使い古したラケットを荷物の中に突っ込み、
ディ・アスはその場所にどかりと座る。

荷物を崩さないでくれよ、整理するのは僕なんだから、と
温厚な声がそれを叱った。

「…僕、ティダの村にするんじゃなかった」
「珍しい、あのキアランが溜息。似合わねえぞ」
「勿論それも知ってるよっ」

怒りで真っ赤に頬を染めたキアランがもう一発手綱を強く引っ張った。

「町まであと少しなんだ、あんまり僕を苛々させないで!」
「へーい」
「ディ・アスったら、また無駄に食料食べちゃいけないよ!」

*********
この二人が異様に多いのは育成メンバーの為…です。
この時はティダの村へ人工物(要英訳)を取る為に通い詰めた。
現在、例の壁にガラティーンを求めて通い詰めてます…。

2007.12.25
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